葬儀社(葬祭業者)は、できれば生前に選んでおくのがよいでしょう。なぜなら、その方が時間的に余裕があり、悪徳業者を退け、納得のいく選択をできるからです。高齢の両親の死後について事前に子が考えておくケースもあれば、死期が近づいた人が自らの葬儀について調べて決めることもあります。
しかし、えてして人の死とは急にやってくるもの。家族の容態が悪化してある程度死の予兆があったとしても、親しい家族の死後のことはなるべく考えたくないのも人情です。
現代では、死は病院で迎えることが大半です。ここで注意があります。病院に常駐している葬儀社があり、臨終を迎えるとすかさず声をかけてくることがあります。こうした業者は、気分が滅入っている遺族の弱味につけこむ悪質なケースが目立ちます。事前に決めていた葬儀社があれば、きっぱりと断りましょう。また、事前に葬儀社を決めていなくても、病院常駐の葬儀社の言いなりになる必要はありません。こうした業者は、棺の代金や搬送費として、不当に高額な費用を請求してきます。きっぱりと断っておきましょう。
葬儀社は、複数の業者に相談し、きちんと比較しましょう。良い葬儀社、悪質な葬儀社を見分けるポイントは以下のとおりです。
良い葬儀社は、故人や遺族の希望に添おうとしてくれ、どんな相談にも応じてくれます。決断を急がせず、遺族のペースに合わせてくれる業者は良い葬儀社です。
見積もりを渋ったり、項目ごとの明細があいまいだったり、総額を明言しない業者は悪質な葬儀社です。高額プランや白木祭壇を執拗に勧めてくる業者も悪質です。
規模の大きい葬儀社や、広告を派手に打っている葬儀社が必ずしも良い葬儀社とは限りません。小さくても良心的な葬儀社は存在します。一般の人々が葬儀・葬式について詳しくないのは当然です。親身になって相談に乗ってくれる葬儀社を探しましょう。