合同葬(ごうどうそう)という葬儀形式には、大きく分けて2つの意味があります。ひとつは、社葬の一種です。社葬は、一般的な個人の葬儀とちがって、企業の創業者や、社長、重役などが亡くなった際の大規模な葬儀で、企業が主体とって行う葬式です。
この社葬において、葬儀の対象となる故人には、勤めていた会社の部下だけでなく、当然ながら家族もいるわけです。その家族、つまり遺族は、社葬とは別に、身内で故人の葬儀をあげることもあるのですが、企業と合同で社葬を行うこともあります。それが、社葬の一形態としての合同葬です。
もうひとつの合同葬は、災害などによって多数の死者が出たときに、遺族もその災害の被災者になっていて、喪家単位で葬儀をあげることが困難なとき、複数の故人を合同で弔う葬儀形態です。
2011年3月11日に発生した東日本大震災においても、おびただしい死者がでました。役所、斎場、火葬場、葬儀社もふくめ、地域社会が丸ごと津波に呑まれて壊滅してしまった所もあります。この震災においても、被災地の各地で合同葬が行われました。