日本人の宗教というと仏教、神道が二大メジャーのように思われますが、ひそかに影響力が大きいのが儒教です。中国の孔子の教えをまとめた儒学に端を発し、学問から宗教へと発展し、東アジア圏の人々のあいだで今なお影響力を保持しています。
礼節を重んじ、上下関係を重視する考え方は、古くは主君への忠義や武士道というかたちにも現れていました。現代社会においても、会社社会や地域社会にこの思想は強く存在しています。宗教というよりは生活上の観念に近いものかもしれません。
家族や上下関係を重視する儒教の影響もあり、日本人は祖先のことをつよく崇拝しています。葬儀に予算をかけ、華やかに行うのはそのあらわれのひとつでしょう。また、一度きりの葬儀のみならず、供養というかたちでことあるごとに祖先に想いを馳せます。お盆、墓参りという習慣は世界的に見ても独特の風習です。