塩竈市(しおがまし)には塩竈斎場(袖野田町25番1号)があり、塩竈市民の火葬はもっぱら塩竈斎場で執り行われます。家族など身内の方が亡くなったら、7日以内に、親族(または同居者、家主、地主)は届出人として、死亡診断書(医師による記入・押印)、届出人の印鑑を持参し、塩竈市役所市民安全課3番窓口に死亡届をとどけでてください。塩竈市役所より埋火葬許可書が発行されます。
塩竈市は宮城県の東部中央に位置し、塩釜湾に面しています。工場の多い多賀城市に隣接し、宮城県の中枢・仙台市にも近い距離にあります。塩竈は鹽竈神社の門前町として栄えた古い町ですが、街の近代化と共に、お葬式においても、コンパクトな家族葬が好まれる例が出てきています。塩竈市の葬儀会社は、ごんきや、ベルコなどといった会社があります。
塩竈市という市名は、鹽竈神社の社号が由来となっています。正式名称は「塩竈市」ですが、「塩釜市」と表記することも認められています。「鹽」は「塩」の旧字体ですが、「竈(かまど)」と「釜(かま)」は違う意味の漢字なので、正式名称は市としては「鹽」にこだわりがあるのですが、なにせ画数が多く複雑な漢字なので、「釜」と記した書類も受け付けるという方針を示しています。また、企業や郵便局の支店名では「塩釜」と表記するケースが多くあります。塩竈市の公式ホームページでは「竈」の書き順をわざわざアニメーションで公開しています。昭和16年に「塩竈市」で正式決定、そして昭和56年、塩竈市民に市名についてアンケートが行われました。有効回答のうち、「塩竈市という市名に不便を感じない」が54.8%、「市名を変更した方がいい」が66.6%でした。変更した方がいいという回答が3分の2に達したにもかかわらず、不便を感じない市民が過半数いるという理由で「塩竈市」の続行が決まったのがなんとも微笑ましい感じがします。
鹽竈神社は、航海や塩の神である塩土老翁神を主神として祀っています。鹽竈神社の創建は伝説・伝承で、塩土老翁神が同地に製塩の技法をもたらしたことが起源とされています。正史上は、820年の書物に記載があるのが初出です。志波彦神を祀る志波彦神社も境内にあります。境外には御釜神社(おかまじんじゃ)という末社があり、鹽竈という名称の由来である神竈が安置されており、塩竈の町のシンボルになっています。