若林区は仙台市の行政区のひとつであり、若林区民が逝去した場合、火葬は青葉区の仙台市葛岡斎場で行われるのが通例です。もし家族が臨終を迎えたら、遺族は、葛岡斎場等、火葬場を予約し、死亡の事実を知った日から7日以内に、若林区役所戸籍住民課に死亡届を提出します(夜間、休日も提出可能)。医師による死亡診断書(または死体検案書)、届出人の印鑑が必要になります。死亡届が受け付けられると、若林区役所により埋・火葬許可証が発行されます。この埋・火葬許可証は、火葬の当日に必要になります。
東日本大震災(2011年3月11日)では、太平洋に面した仙台市若林区も大津波により襲われ、建物や木々が薙ぎ倒されて崩壊し、流失しました。特に若林区では荒浜地区の被害が夥しく、3月11日当日、被災地以外の全国の国民は被害の規模・深刻さが分からずやきもきしていましたが、夜に報道された「荒浜地区に200~300人の遺体が発見されている」とのニュースにより、全国の国民に戦慄が走り、この災害が未曾有のものであることを思い知らしめたのです。
津波は、押寄せた後に強烈な引潮があることもあり、ご遺体が発見されていないケースがまだあります。仙台市では特例を設け、ご遺体が発見されていなくても、本来は必要とされる死亡診断書(または死体検案書)がなくても、死亡届を受け付けるようにしました。死亡診断書(または死体検案書)はご遺体を元に医師が作成するものだからです。手続きは若林区役所戸籍住民課で行い、死亡届書(受付窓口にあり)、届出・未発見事実証明(管轄警察署による)、届出人の申述書(受付窓口にあり。法務省HPからもダウンロード可能)、届出人の印鑑が必要になります。死亡認定の受理は確認のため保留されることがあるのでご留意ください。
仙台市葛岡斎場は火葬場であり式場はないので、御通夜、告別式を行うなら、自宅、またはセレモニーホールを使用します。さまざまな式場があるので、葬祭業者に相談するとよいでしょう。若林区では、仙台市の他の行政区と同様、葬儀費用は下落傾向にあり、参列者を遺族およびごく親しかった者に限定する家族葬の需要が年々上がっています。仙台市若林区に本店・支店のある葬儀会社は、富士葬祭センター、佐藤葬儀社、仙台葬祭飯坂屋、くさかや、やすらぎ葬祭、ハート葬祭、ベルコ、メモリアルサトー、仙台ハースなどといった企業があります。
被災地は震災から1年以上経っても、沿海部は木々や建物が一切無く、荒地になっているか、草が生い茂っているのみで、新築された建物は内陸よりに若干あるのみです。空地には、瓦礫が鉄、網といったように種類別に集められて瓦礫の山ができています。墓所では、墓石が倒され、散乱したままの状態になっています。