泉区(いずみく)は仙台市の行政区のひとつで、泉区民が亡くなった場合、火葬は隣接する青葉区の仙台市葛岡斎場で行われるのが一般的です。遺族はまず仙台市葛岡斎場を予約し、泉区役所戸籍住民課に死亡届を提出し、埋・火葬許可証の交付を受けます。火葬当日、時間を厳守し、埋・火葬許可証、斎場使用許可申請書、使用料金を持参し、斎場受付窓口に提出します。斎場従事者に心づけを渡してはいけません。
仙台市葛岡斎場の予約は、窓口での受付は、火葬日前日の9時~14時30分、電話・ファックスでの予約は、火葬日前日の17時までです。火葬炉の使用料金は、仙台市民で、6歳以上の遺体が9000円、6歳未満の遺体が4500円、死胎で3500円です。待合室(和室か洋室)の使用料金は、仙台市民で、1室5000円(2時間まで)です。火葬中、遺族は待合室で待機します。
泉区は、仙台市内の北方中央に位置します。かつては独立した自治体の泉市で、仙台のベッドタウンとして発展し、1988年、仙台市に編入、1989年、仙台市が政令指定都市に移行したことに伴い泉区となりました。仙台市に編入される以前から、宮城県内での人口順位が仙台市に次ぐなど、人口の多い地域でしたが、編入後、地下鉄南北線が延伸して泉中央駅が誕生すると、さらなる発展を遂げました。泉中央駅周辺は商業ビル、オフィスビルが建ち並び、サッカー場のユアテックスタジアム仙台も建設され、仙台有数の商業エリアになりました。泉区は、大規模な団地やニュータウンが多数あり、新しい住人も多く、葬式においては、家族葬・密葬や、式は行わないで火葬のみ行う、いわば必要最低限の葬儀である直葬も、需要が高まっています。葛岡斎場に式場はないので、直葬でない場合は、葬祭業者に式場の手配を依頼するとよいでしょう。仙台市泉区に本社・支店のある葬儀社は、すがわら葬儀社、川連屋、仙台メモリアルサービス、市川典礼社、みやぎ生協プリエ案内センター、ごんきや仙台本社などの企業があります。
泉市の仙台市への編入をめぐっては、ひと悶着がありました。昔から泉に住んでいる住人と、ニュータウン等へ引っ越してきた新しい住人とで、合併の賛否が真っ二つに割れたのです。古い住人は、仙台に組み込まれると泉の伝統的な良さが消えてしまう、また、公共料金が値上げされる可能性が高いため、合併に反対しました。一方、新しい住人は、元から仙台の求心力に惹かれて仙台近郊に移り住んできたのであり、政令指定都市に移行した場合の恩恵を受けられる可能性もあり、合併に賛成しました。政令指定都市に移行するための条件は人口80万人であり、仙台市としても、その条件を満たすために、なんとしても泉市を取り込みたく、石井亨市長は公共事業や博覧会を餌にして泉市民の説得を行いました。住民投票が行われ、僅差で賛成派の勝利、最終的に泉市は仙台市へ編入され、約束どおり公共事業等は実施されたのですが、石井亨氏はその後、ゼネコン汚職事件により逮捕されてしまいました。ユアテックスタジアム仙台のある七北田公園も、実はこうした公共事業の一環でした。ベガルタ仙台の本拠地として仙台のサッカーファンの聖地的な場所ですが、このような側面もあるのです。