多治見市(たじみし)には多治見市火葬場があり、火葬はもっぱらこちらで行われます。多治見市火葬場は市営なので、スタッフへ心づけを渡してはいけません。平成28年に新火葬場が完成予定です。多治見市に本社・支社のある葬儀会社は、双葉葬祭、さくら工芸 葬儀部、サシキン葬祭、美・エピローグ、加藤フルーツ、東濃新生活互助会などです。
多治見市は岐阜県の南方に位置し、名古屋へ勤務する人々のベッドタウンにもなっています。気温観測所があり、夏場の気温が埼玉県熊谷市と並んで全国最高を記録することで知られています。市の方でもこの事実を活かし、「日本一暑い町」を観光の目玉にしようとして活動を行っています。ただし、暑い町にわざわざ行きたがる物好きな観光客がどれだけいるかは分かりません。多治見は盆地であり、冷たい海風が入り込みにくく、また、フェーン現象による熱風が下りてくることが、高気温につながっているのではないかと研究されています。
農業への従事者が多いのですが、名古屋のベッドタウンという役割もあり、新しい住人もいるため、現代的な家族葬などの葬儀も増えています。一方、伝統的な風習もあります。出棺して墓地へおもむくとき、花籠という籠に小銭を入れ、交差点などで籠を振って小銭を落とすのです。小銭をまく風習は全国各地に散見されますが、花篭を使うのは、多治見市含む東濃地方に特有の習俗です。恵那市とその周辺には、香典返しをビール券にする習慣も見られます。