千葉県の葬儀費用平均値は、181万7537円（2011年全国儀式サービス調べ）で、全国1位です（47都道府県中）。この金額は、47位の沖縄県の、64万8937円の約3倍にものぼる金額です。東京都をも上回っています。東京ほどではないにせよ、千葉でも家族葬が増えつつあります。こうした傾向が続くと、葬儀費用も下落していく可能性が高いでしょう。
千葉県には、28件の火葬場があります。安房郡市広域市町村圏事務組合新火葬場の安房聖苑（千葉県南房総市）が、平成24年10月にオープンしました。それに伴い、館山市斎場、千倉火葬場が業務を終了しました。平成25年には、四市複合事務組合第二斎場（千葉県八千代市）が供用開始予定です。なお、栄町斎場は平成21年に廃止になりました。
千葉県は関東地方の南東部に位置し、太平洋と東京湾とに挟まれた房総半島が県の大部分を占めます。北部は下総台地上にあり、平野であり、成田国際空港があります。北西部の東葛地域、京葉地域は、東京のベッドタウンとして発展しています。JR京葉線・総武線、東西線、つくばエクスプレスなどの鉄道網の充実が、東京への通勤・通学を容易にし、新しい人口が流入しているのです。一方、房総半島は、打って変わって山がちの地形であり、三方を海に囲まれ、首都圏といっても長閑な農村風景を見ることができます。アクアラインの開通により、東京・神奈川からの観光客も多く訪れるようになりました。
このように都市部と房総では同じ千葉県といっても随分と景色が異なれば、文化・風土も異なります。都市部・新興住宅地には新しい住人、比較的若い世代が多く、人が亡くなったときの葬儀は、葬儀社による現代的で合理的な葬儀が主流です。低価格志向が強まり、家族葬・密葬などが増えています。一方、北東部の農村エリアや房総半島では、昔ながらの葬儀風習が残っています。通夜の後に火葬を行い、その後に告別式・葬儀を行う、前火葬が行われる地域があります。近隣との人間関係も濃密であり、葬儀も葬式組という近隣の住人たちが中心となって手配をして実行することがあります。この葬式組の年配の老人たちが年寄り講と呼ばれ、太鼓を叩くなど儀式を手伝うことがあります。この葬式組に遺族は小銭（百円）を配る、全国各地に残る撒き餌の一種のような風習もあります。

千葉県の斎場

千葉県の葬儀事情

千葉県・市区町村別の斎場